鬱病を治して元気を取り戻せ!【かかりやすい人はご用心】

鬱

最も多い精神病について

先生

精神病には鬱病や統合失調症、不安障害や認知症があります。このうち最も多い病気が鬱病で、認知症と共に年々増加しています。精神的なストレスがこの病気になる危険性を増やします。ストレスには、子ども時代のトラウマや家族との死別、仕事における対人関係やお金の心配などがあります。高齢者の場合には、様々な慢性の病気が原因になることがあります。それらには、脳卒中や心疾患、アルツハイマー病やパーキンソン病、がん、糖尿病や甲状腺機能低下症などがあります。一部のヒトでは慢性の痛み、女性の出産、アルコール中毒や免疫病の治療に用いられるコルチコステロイド、痛み止めのモルヒネ、インターフェロンや精神身体症や不眠症を治療する薬が鬱状態をひきおこす可能性があります。様々な病気を持っていても、全てのヒトが鬱病になるわけではありません。双子の研究から、片方の子が鬱病になると他方の子は約半数にこの病気がおこるという報告があります。またこの病気には家族歴がある例もあります。これらのことから、この病気は劣等感をもちやすく落ち込みやすいなどの性格を遺伝的に持つヒトにおこると考えられます。このような性格に睡眠、記憶や学習、社会的な行動、心血管系、筋肉および内分泌系で重要な働きをしている神経伝達物質であるセロトニン生産が低かったり働くための仕組みに異常があったりすることが、鬱病の発症に関係があると考える研究者もいます。この病気はストレスと性格を決めている遺伝要因の両方が関与する病気だと考えられます。

鬱病には病気の重さ、原因や誘因の違いによって様々な型があることが知られています。まず抑欝気分の重さによって、軽症、中等症、重症に分けられます。軽症には非定型型があり、この型では幸せなできごとがあると症状に改善がみられることがあります。ふつうの型では季節に関係なく症状が顕れますが、冬など特定の季節に重い症状が出て春になると症状が消える型を季節性鬱病といいます。この型は循環性鬱病とも呼ばれます。重症型には憂鬱を意味するメランコリー型や内因性、心因性鬱病があります。これらは心理療法の効果がなく、内因性鬱病では幻聴や妄想など他の精神症状が加わって抗鬱薬にも抵抗性を示します。メランコリー型でないものは非メランコリー型と呼ばれます。このタイプの病気の重さは中等症で、家族との死別などに反応しておこるので反応性鬱病とも呼ばれます。この型の患者さんの多くは、心理療法が効果を示します。この病気が単独におこる場合を単極性鬱病といい、この状態と反対に気分が高揚する躁病が交代して顕れる型を双極性障害といいます。またこの病気は橋本病などの甲状腺機能低下症や高齢者の増加に伴って増えている認知症など他の病気に伴って顕れる場合があり、これを二次性鬱病といいます。女性が妊娠後や出産後に発症する場合にはそれぞれ産前、産後鬱病と呼ばれ、ホルモン環境の変化がこの病気の原因になると考えられています。以上のように鬱病には様々な病型があり、これらを理解することが適切な治療法を決めるために重要です。